鋼材事業
軸受鋼、機械構造用鋼、ステンレス鋼、耐熱鋼、工具鋼などの各種特殊鋼製品の製造?販売
特殊鋼は、自動車や産業機械、プラントなどの中でも特に重要な部品の素材として使用されています。使用される製品の性能、機能の向上や環境負荷の低減、コスト競争力の向上などを背景に、特殊鋼に求められるニーズはますます多様に、また高度なものになってきています。
山陽特殊製鋼は、これまで長年にわたって培ってきた高清浄度鋼製造技術をベースに、鋼の性能を最大限まで引き出した高品質の特殊鋼を社会に提供してきました。これからも、特殊鋼の品質特性だけでなく、安定供給なども含めたあらゆるニーズに応える「高信頼性鋼」を提供していきます。
粉末事業
金属粉末?粉末成形品の製造?販売
金属粉末およびその成形品に関して、企画?調査?開発から試作?製造?分析?品質管理?出荷(輸出)に至るすべての業務を担当する事業部門です。粉末事業は、IT産業の発展とともに目覚ましい成長を遂げ、社内でも注目されている事業です。
素形材事業
特殊鋼棒鋼?鋼管を素材とする素形材製品の製造?販売
山陽特殊製鋼の主力製品である棒鋼?鋼管に鍛造、切断、切削などの2次加工を施し、製品の付加価値を高めて販売する事業部門です。事業部内に販売機能だけでなく、国内外の関連会社による生産機能を持ち、日本国内のみならず、中国、タイ、メキシコなど、グローバルに事業を営んでおり、社内でも国際色豊かな事業です。
「特殊鋼」の原料は鉄スクラップ。資源の乏しい日本において、国内調達が可能な貴重な資源です。さらに高品質の特殊鋼は、部品の小型?軽量化や長寿命化を通じて、省エネ?省資源にも寄与。持続可能(サスティナブル)な未来の実現に貢献しているのです。
自動車をはじめ機械には「回転運動」がつきもの。モノの回転には、回転構造を支えるベアリング(軸受)が不可欠で、そのベアリングの素材となるのが「軸受鋼」です。毎分何百回何千回も回転するベアリングの素材には、高い信頼性が必要。私たちの「軸受鋼」は、他社には真似できない高い品質で、国内トップシェアを誇ります。
不純物を極限まで取り除く「極超高清浄度鋼」技術
金属疲労に大きな影響を及ぼす、鋼中の非金属介在物。私たちは最大介在物の大きさをコントロールする独自の製鋼法を確立。不純物を極限まで取り除いた「超高清浄度鋼」を造り出し、部品の小型?軽量化による環境対応?性能向上を求める自動車関連ユーザーから高い評価を得ています。
2018年には、超高清浄度軸受鋼をさらに発展させた極超高清浄度鋼製造プロセス(SURP:Sanyo Ultra Refining Process)を開発しました。SURP鋼は、超高清浄度鋼をベースに介在物組成制御技術をプラスすることで、大型介在物の出現頻度のさらなる低減を実現しました。
SURP鋼は、重荷重および過酷な潤滑環境下で安定稼働が求められる高速鉄道、風力発電機、産業機械などに用いられるベアリングなどの転がり部品への適用が期待されます。これら部品へのSURP鋼の適用によって、お客様の設計上の高信頼性化やメンテナンスフリー化のニーズに応えます。
品質の向上?安定と高生産性を実現
「大河内記念生産賞受賞」
当社は、第63回大河内賞※において、「超高清浄度軸受鋼の高生産性プロセスの開発」にて大河内記念生産賞を受賞しました。
長期間にわたって過酷な環境下で用いられる軸受鋼は、特殊鋼のなかでも特に高い信頼性が要求されます。当社は、長年にわたって培ってきた技術?技能により、超高清浄度軸受鋼の造り込み技術を確立し、2015年にはその集大成ともいえる「単一タンディッシュ?浸漬ノズル交換なしで100チャージ連々鋳(世界記録)」を達成しました。本技術の開発により、高品質と高生産性の両方を実現したことが高く評価され、名誉ある大河内賞の受賞につながりました。
当社は、これからもさらなる品質と技術の向上を図り、高品質の特殊鋼製品を安定的に提供していくことを通じて、社会のさらなる発展に貢献していきます。
※大河内賞とは、学術の進歩と産業の発展に大きく貢献した顕著な業績に対して表彰を行う伝統と権威のある賞です。
「3Dプリンター用高機能金属粉末の開発」
当社で保有する3Dプリンターで造形した姫路城
金属粉末は、成分設計の自由度が高いことに加えて、粉末という形状から、その使用用途は無限の可能性があるといわれています。当社は、鉄鋼?産業機械向けの肉盛?溶射用粉末、自動車向けのショットピーニング用投射粉末、切削工具用粉末ハイス、モバイルデバイス向け電磁波吸収体用扁平粉末、各種ターゲット材など幅広い分野で用いられる高機能金属粉末を提供しています。
当社が製造する金属粉末は真空溶解と不活性ガスアトマイズの組み合わせにより実現した低酸素?高純度な球状金属粉末で、3Dプリンター用途にも適しています。
2017年8月には、新設した第2粉末工場の稼働を開始しました。この工場では、高純度真空溶解ガスアトマイザーのほか、極めて真球度の高い金属粉末を製造できる最新鋭ディスクアトマイザーを導入しています。これらの設備を活かし金属粉末の高信頼性?高純度の追求ならびに高融点材料の高真球粉末の製造研究と用途開発を進め、お客様の高度なニーズに対応していきます。
新興国の経済成長に伴い、特殊鋼の海外での需要も拡大しています。山陽特殊製鋼はアメリカ、中国、インド、タイ、メキシコの5カ国に現地法人を設置、M&Aによって北欧の特殊鋼メーカー Ovako AB社を子会社化して、事業のグローバル化を推進してきました。グローバル人材の育成にも力を入れており、世界を舞台に働きたいと考える皆さんが活躍できる環境が整っています。
今日も、山陽特殊製鋼のSPECIALISTたちが世界各地で活躍しています。